キリスト教の葬儀では遺体を土葬にするのが普通です。しかし日本では火葬が主流であり、土葬を行うには決して容易ではありません。法律で禁止されているわけではありませんが、墓地の構造によっては掘り返すことができる土壌の深さに制限があります。
また、衛生管理の問題もあるため、地域や墓地の所有者が独自に土葬を禁じているケースが少なくありません。キリスト教の教会が所有する墓地であっても地域の条例によって土葬ができないため、遺体は火葬にするのが普通と考えるのが妥当と言えます。
ひと口にキリスト教と言っても宗派は様々ですが、大別するとカトリックとプロテスタントの二種類があります。カトリックは伝統的な教義を厳格に守るため、遺体は土葬にすることを徹底しています。そのため、埋葬できる墓地に限りがあり、順番待ちの状態になるケースも少なくありません。
一方でプロテスタントは柔軟な考えに基づいた信仰を是としているので、遺体を火葬にすることにも抵抗がありません。墓地探しが比較的容易と言えるのが大きな特徴です。どちらの葬儀も故人が神の許しを得て永遠の安息を得るのを見届ける儀式であり、故人との別れを惜しむ意味合いは薄いのが共通点になっています。